尾張戸神社。
この神社があるということを知ったのはおおよそ1ヶ月前。
愛知県内の各地の神社を参拝している中で、「熱田神宮の奥宮」と言われるこの神社の存在をしり
いつか行ってみたいなーとは思っていました。
でも、山頂にあるし登山をしないといけないということで
これまで山など登ったことがない私は「まぁ、いつか機会があったらいけばいいかな」と考えていました。
しばらくして、自分が欲しかった御朱印(愛知県の別表神社)を集め終わり、、
さぁ次は神社巡り(修行)はどうしようかなと考えていたところ
なぜか「山の神社」に強く惹かれてしまったのです。
元々、桜井識子さんの本を読んでいたこともあって「山岳系神様」がとても気になってはいたけれど
「自分には登山なんてやらないだろうな。。」という気持ちが強かったのです。
でも、気づいたら修験道の山伏に関する本を買っていたり、大串ノリコさんとイラストレーターの森下えみこさんの本を買って読んでいたりと
完全に守護神様や高次の存在から「登山しなさいよ」と導かれてしまっていました。
まぁ、そんなこんなありまして、こちらの尾張戸神社が鎮座する東谷山(とうごくざん)は登山初心者にも安心の低山ということもありまして
せっせと登山グッズを揃えまして、登山当日を迎えました。
でもですね。実は、この登山を決行する前にとあるトラウマ級な出来事がありまして、、、
その件についてはまたどこかで記事を書こうと思うのですが
山に対して恐怖心というか、不安がずっと付き纏っていたんです。
友人も富士山で亡くしてますし、漫画の「岳」が好きで何度も読み返していたのですが
あれも事故が多発(下手すれば死んでしまう)するので、私の中では完全に
「山=事故(死)」のイメージが強いんですね。
でも、山は嫌いじゃないんです。むしろ好きなんです。
だから登ってみたい気持ちはあるけれど、怖い。そんな感じです。
ですので、不安を抱いたまま眠りについたんですが、、、
その日眠っている時に夢を見まして、、、
ちょうどここ数日くらい風邪でずっと咳が出ていて、眠りも浅かったんですが
咳で何度も苦しくて起きてしまう。←現実
山の中腹からその先にどうしてもいけない(たどり着けない)←夢うつつ
こんな夢を見ていてなぜか山頂に辿り着けず夢の中の私は
「登山とはこんなに難しいものなのか、、、」
「登頂することはこんなにも過酷なのか、、、」
という。そんな夢を見ていたんです。
んで、朝渋々目が覚めまして
「あー、夢か。。」そんなことを思って段々と目が覚めてくるに従って現実に引き戻されていきます。
子供が起きてくる前に色々家事をしたり、自分の準備をしたりして
奥さんに子供のことをお願いして出発の時。
この時も「私は無事に行って帰って来れるだろうか」と、そんなことが頭をよぎっています。
何のことはない。登山経験者からすれば、余裕で登れる山でしょうし、さほど怖がることなどないかもしれません。
しかし、私は体力には自信があれど登山は初めてです。
初めての登山。行ったこともない土地。そしてひとりです。
頼れるのは自分だけ。
こういった状況で立ち向かうことも修行なのでしょう。
ですから、内心よくない妄想をしてしまうんですね。
ですが、心配する妻を後に、私は登山へ向かいました。
さぁ、東谷山へ到着しました。
東谷山フルーツパークというのが近くにあるようで、その駐車場に停めさせていただきました。
ここは無料の駐車場でした。私よりも先にちらほら車が止まっていて、中には登山利用の方の姿もありました。
車の中でせっせと着替えまして、新品の登山靴を履きまして、リュックに荷物を入れ替えまして、タオルを巻きまして。帽子も被りまして。
いざ出発です。
事前に「YAMAP」なるアプリにもちゃっかりプレミアム登録してしまいまして、登山計画書も作成しました。
印刷しましたが、これは警察には提出せずにそのまましまっておきました。
低山だし、大丈夫だろう。と思ったからです。天気も良かったし。
それに、地元のかたが毎日のようにハイキングで山頂まで参拝する場所ですので、遭難はそうそうしないだろうと。
そんな思いでしたので、計画書は自分で作っただけで留めておきました。
そして、入口ですね。

この、なんかハニワみたいなやつの奥にわずかに入り口がありまして、そこが散策路の入り口となっていました。
最初は緩やかな階段になっていました。
が、進んでいくについれて次第に階段の幅も大きくなり、段数も多くなり、、しまいにゃアップダウンも激しくなり。。
途中途中で地図を確認しながら今の現在地を見ては水分補給し、、、一つ峠を登り切っては全力疾走した時ほどのはぁはぁ具合でして
「これが登山か。」
そう心の中でつぶやいておりました。
途中、いくつか古墳が道中ありまして、気にはなったのですがゆっくり見ている余裕もなく
とにかく山頂を目指さなくては。別に時間に焦っているわけではないんだけれども
1つの目標をまずはクリアしたいという思いから
自然と歩みを進めていました。
またさらに進んでいくと、小さなお社を発見しました。
そこをお参りするとなると、別ルートに少し登る必要があるので、やめとこうかなと思いましたがせっかくなのでご挨拶させていただきました。
すると

お社の中で小さなアゲハ蝶が羽を休めておりました。
これは、、、蝶が休んでいるな。
そう思いました。
いや、いつもなら「神様が歓迎してくれてるのかな」などと小躍りする場面ですが
山の中腹まできた私の体力消耗の具合で汗が吹き出していますので、そんな思考をする余裕がない状態です。
でも、ほんのり、「あぁ、蝶々がお出迎えしてくれてるわ」というありがたいなという気持ちになりました。
そんなこんなで、マインドフルネスな状態でひたすら歩みを進めてなんとか山頂にある神社へ辿り着きました。

つきました。尾張戸神社です。
祝詞を言いながら参拝しようと思ったのですが、思いの外参拝客が多く、、、恥ずかしかったので言えませんでした。
普通に参拝しまして、山頂から景色を眺めたり、展望台に登ってみたり、色々遊んで、少し休憩してました。
ほんとは、もっとぶらぶらしたかったんですが、じいちゃん二人組が本殿の横で休憩しながら話し込んでいたもんで
あんまり集中できないなーと思い、下山することにしました。

これはアプリの画像なんですが、帰りの道は一直線の参道を通って下山しました。(黄緑色のマークのところ)
ここ、一直線だから楽かなーと思ってたんですが、石段が意外とキツい!
ぬかるんでたりもするし、葉っぱも落ちてるし、勾配もキツいし。
ここ、山頂に来てたじいちゃんばあちゃんはここ登ってきたん?マジ?
と疑いたくなるような険しい参道です。
まぁ、でも降り始めたから進むしかないと思って頑張って歩きます。
途中、めっちゃ「ブーン」とゴツめの音が何度か周りでしていましたので足早に進んでいきます。怖いです。
参道の入り口までなんとか降りてきまして、そこから街中を通りまして駐車場まで戻ってきました。
途中、車がビュンビュン通る歩道を通っている時に
「そういえば、祝詞唱えてなかったから歩きながら唱えてみようかな」と思い
本殿を思い浮かべながら祝詞を唱えました。
すると、唱え終わった直後に「ビューっ!!」と風が吹いて
被っていた帽子がわさーっと飛びました。
唱えた瞬間です。
ですから、下山した後でも神様は聞いているんだなー。。と不思議な嬉しい気持ちになりました。
そして、なんとか、なんとか!
怖さや不安な気持ちがありましたが、とっても心地よく素晴らしい登山体験をすることができました。
終わってみて思ったのは
「登山ってこういう感じかー。。」という達成感というか、清々しい気持ちというか。
これは体験した人にしかわからないなという感じでした。
今まで全く登山に興味がなかったですが
「これは修行になるわ。。。」という感じです。
今後も、引き続き奥宮への参拝のために登山をやっていこうと思います。
この修行を続けることで、果たして霊格が上がっていくのでしょうか。
楽しみにしたいと思います。
では。