さぁ。駐車場に到着しました。
時間は9時40分くらい。
ですが、すでに車の数はおそらく40台は止まっていました。
「マジかよ。結構早くきたつもりだったけど、、、」
早朝からくる方もいると考えると、これくらいは止まっていてもおかしくないかと思いました。土日だし。
でも、やっぱり不思議なのが、早朝から来る人も多いなら帰りの車とすれ違っても良さそうなのになーと思いました。みんな奈良県がわを通って行く人が多いんですかね?
初めてなのでよくわかりませんが、とりあえず交通量が少ない状態で辿り着けてよかったです。
そんなこんなで車でスーツに着替えまして、向かう訳ですが
みんなほとんど私服ですね。
まぁ、そりゃそうだろうなと思いました。おそらく、正式参拝を受けるよりも「ご祈祷」の方が受ける方は多いのだろうと思っていました。
正式参拝はスーツでなければ受けられないことは知っていましたので、持参した訳ですが見事にベルトだけ忘れました。(私服で着けていたベルトで代用しました。)
すると、帰ってきた参拝客の方の中にスーツの男性(おそらく50代前半くらい)がいて「あ、あの人も正式参拝終わって帰ってきたんだな」と。
自分も早く行きたい気持ちになり、準備して出発します。
駐車場の脇に入り口となる鳥居が見えます。
そこから入っていきます。
どうやら本殿へはすこしばかり歩くようなのですが、どれほど歩くのか。どれほど険しいのか。事前情報だけではわかりません。道の長さはわかるのですが高低まではわからないですからね。。
山道を歩いていると、ちょいちょい帰りの参拝客の方とすれ違います。
ご夫婦の方もいたり、カップルもいたり、ご家族もいたり。おひとり様もいたり。
しかしスーツはいません。
なので、私のこのスーツにでかいリュック。そしてロン毛という出立が珍しいのでしょうか
すれ違う際の視線を感じずにはいられません。自意識過剰かもしれませんが、「なんだ?」的な意思がはっきりと伝わってきます。
挨拶をしてくださる方もいますし、そうでない方もいますが
いろんなことを考えながら歩いていくと
「お体が不自由な方はこちらの道からどうぞ」的な看板があります。
左に行くとその道で、右は下りになっていて結構大変な階段です。
「じゃあ、健康な自分は右からか。。」と思いつつそこを通っていきますが、まぁ何とも息が上がる感じの道です。
それでも、森の神秘的な空気を感じながら、神聖な木々を眺めながら
時折現れる巨木を見ながら歩いていると
ついに玉置神社がそのお姿を表しました。

手水舎にて清めてから鳥居で一礼し階段を上ります。
参拝されていらっしゃる方はまだ少なくて、正式参拝の申し込みをする前にひとまず拝殿にてご挨拶をしました。
摂社や末社はひとまず素通りさせて頂きまして、社務所へ向かって正式参拝の申し込みを行います。
白いテントのような、単管パイプで簡易的に作られたような階段をあがり、お守り等が販売されている左側の窓口にご祈祷と正式参拝の受付があります。
そちらへ行き「あの、正式参拝って、、、」という言うと
「あ、こちらでお受けしますね。それじゃあ、こちらの紙に住所と名前と、、、」と言って紙とペンを差し出されます。
なんだか、山みちを孤独にひたはしり、山中をスーツで歩いて、何とも言えない不安な気持ちが続いていたので、この「申し込みの手続き」が街中の神社と全く同じ手順であったことに不思議と安堵感を覚えました。
「はい。。これでお願いします」といって神職さんに手渡し確認してもらいます。
この申し込み用紙の上の部分に、願い事というか、よくあるじゃないですか。
病気平癒とか交通安全とか商売繁盛とか。
ああいうのが並んでいて、丸をつけるの忘れてたんです。
いつも神恩感謝に丸をつけるんですけど、印をするのを忘れてしまって。
というか、神職さんに「どれかに丸をつけてください」と言われなかったなそういえば。。。
とああだこうだ考えているうちに、「はいじゃあこれで受付しますね。今ご祈祷をしている方から順番に行いますので控え室で待っていてくださいね。控え室は、、、」
と説明されて「あぁ、、、願いが何か神様に伝えられないやー、、、まぁ、いいか。」
と少ししょんぼりしながら控え室へ向かいました。
どん。どん。どん、どん、っどどん。
と太鼓の音が聞こえてきます。
私の前の方がご祈祷か正式参拝を受けているのだろうか。
玉置神社の紋が入った幕で覆われた控え室で一人でっかいハエと私の2人きりです。
扇風機が1台置いてあったので、スーツであっついのもあって独り占めさせて頂きました。
結構待ったかな。15分くらい終わるまで待っていたかもしれません。
スマホでここに到着するまでの記録というかブログに書く用に出来事をまとめていましたら
自分の番がやってきまして
「それでは、まもなく前の方が終わりますのでこちらを羽織っていただいて靴を履いて私についてきてください」
と言われ、祈祷者用の襷を渡されましてそれを身につけ外にでます。
てっきり、いったん履き物を脱いだら建物の中から本殿や神楽殿へ行くのかなと思っていたら
外から行くんですね。
ご祈祷を終えた参拝客と談笑しながら神主さんが戻ってこられまして
私に声をかけてくださいました。
神主:「それではあちらへ行きますので一緒についてきてくださいね。」
「あ、わかりました。お願いします。」
トコトコと2人で本殿の方へ歩いていきます。
すると
神主「こちらへこられたのは初めてですか?」
「あ、はい。」
結構気さくに喋ってくださるんですね。この神主さんがそうなのかもですが
なんだか優しくてとってもほっこりした気持ちになりました。
先ほどの画像から見てもわかる通り、上の方にある本殿なのですが
ここのお賽銭箱の前に階段があり、その先に引き戸がありまして、その中に入らせていただくんですが
中にはもう間近にお鏡やら何やらがあって神様が丸見えというか、「こんな近くていいんかい?」と思うほどお側まで入らせてもらえます。
そして神主さんに案内して頂きまして、本殿の中に座ります。
普段、ご祈祷を受ける際。本殿の神様に対して正面に向かって座るじゃないですか。
でも、ここは違いました。
んと、正面に神様がいて、その前ではなく横に神主さんと向かい合って正座して座るんです。
神様に対して横を向いている状態ですね。
ちょうど、狛犬が両サイドにいるような配置になる感じです。で、神主と向き合うんです。
こんなの初めてです。
何というか、目をどこに向けて良いやら、どこを見て良いのかわからず少し俯くしかありません。
なんか神主さんが喋っている時は目を見ることができますが、それ以外はちょっと俯いてます。
で、左側では通常の参拝客の皆様がせっせとパンパンしてチャリンとお賽銭入れて、入れ替わり立ち替わりお願い事をしては去っていきます。
そんな風変わりな参拝を体験させて頂きつつ、内心では「これが正式参拝かぁ。。。すごいなー。。」と感じていると
いよいよ始まります。
神主さんが祝詞唱えたり、あらゆる所作をしてくださったり、私の紹介をしてくださったり(←紹介じゃねぇ笑)
色々頑張ってやってくださっていると、私の左の視界の端の方にずっと参拝中の方(若いご夫婦2人)が拝殿の前に佇んでいらっしゃいます。
私は「ちょっと長めにお願い事してるんかな?」と思っていたんですが
参拝中にずっと、そこにいるんです。
もしかしたら、この正式参拝が始まったからそれを見学してるんだろうか?それにしても、ずっとおるやん。
結構長いよ?終わるまでまだもう少しかかるよ?
そう思って自分の参拝に集中し、頭下げたりしてやっているとご夫婦はいなくなりました。
そして、また私が頭を下げて前を見上げてみると、またお二人同じ場所にいます。笑
他の参拝客のお邪魔にならない位置でずっと見てらっしゃるので、全然良いと思うのですが、
この正式参拝のパワーを感じたいのかなぁと思うと何だかこの2人が急に愛おしく思えてきて
「幸せであってほしいな」「この2人に良いパワーがいきますように」と思っている自分がいました。
他にもいたのかもしれませんが、ちょうど私の視界に入るような形で2人がいたので、とても微笑ましく見ていました。
そうこうしていたら終わりにだんだん近づいていて
最後に「玉串」の奉納です。
これは、正面の半畳ほどの小さなゴザがありまして、そこに正座をし、台の上に願いと共に奉納します。
何というか、この床板で正座が固くて固くて、、、膝と足がいたーていたーて。。
でも、そんな顔は微塵も見せず、頑張ります。
最後に、神主さんから
「これで以上になります」とにこやかな顔で終わりを告げてくださいました。
つづけてこう言いました。
「この正式参拝というのは、ご祈祷とは違うんですね。ご祈祷は神様に今の願いを祈祷するものなので神様との繋がりを作るというわけではありません。ですが、この正式参拝というのは願いごとをすること、祈祷をすることとは違って”神様とお繋ぎする”というものなんです。だから、今回の正式参拝でしっかりと繋がれましたので、今後も素敵なご縁があることを願っています。またいつでも玉置神社にお越しくださいね。」
と、こんな素敵なお言葉をいただき、また玉置神社の神様と仲をとりもっていただけて本当に感謝です。
そして、ここで思ったのは「あ、申し込み用紙に”お願い”に丸をつけれなかったけど、それでよかったんだ。お願いをしにきたわけじゃないんだ」ということです。
私としては神様と繋がることができたということのほうが遥かに嬉しい出来事なので、大満足です。
そうして、社務所に戻る際も神主さんと一緒に戻るわけですが、みんなが参拝している真ん前を降りていって横切って戻ってきます笑
その時も、その若いご夫婦がずっと私たちを見ていて「ずっとおるなー笑」と内心思いながら神主さんと談笑しながら戻っていきます。
神主「今日は名古屋からですか。うちの神職の中でも愛知県の方もいるんですよー」
などとたわいもない話をしながら、この人はしゃべるの好きなんだなーと思いながらほっこりした気持ちで終わりました。
最後に、お下がりをいただき、御朱印をもらい、お札や欲しいものをひたすら買い込んで
リュックにしまい込んで車に戻ることにしました。
鳥居の方から一礼して出ようと思った時、ふと見ると。
若いご夫婦が鳥居の外で佇んでいました。
私が降りてくるのを明らかに待っています。笑
「まだおるやん笑 これなんか声かけられるんかな?」
と確実に声をかけてきそうな雰囲気で見ていますが、私はあえて目を合わせずにそのまま歩いていきましたら
どうやら後をついてくるではありませんか。
それを見た時に、明らかに「私を待っていたんだろうな」という感じがしました。
理由はなぜかわかりません。笑
今になって思えば、挨拶してみれば何か反応があったのかもなと思うのですが、その時は結構人も多くて、スーツも私だけで、何だか恥ずかしくて早々と車に戻って着替えたかったんです。
だから、そそくさと歩いてまた来た参道を戻っていくことにしましたが、そのご夫婦もちょっと離れて一緒についてきます。
なんか、小学校の帰り道に、私のことを好きであろう女の子とがちょっと離れてついてくるのを思い出しました。
甘酸っぱい記憶が蘇りました。
ふと、これも神様からのサインであると感じました。
桜井識子さんのお話でよく「眷属が後をついてくる」というお話があります。
まさに、これだ!と思ったんです。
神様が眷属2匹(ご夫婦2人)をつけてくださっているんだと。
見た目は人間だし、紛れもなく人間ではあるんですが
私は直接見ることができる霊力はありません。声も聞こえません。まだその域には達していないのです。
だから、この物質界の目に見える形でしか表すことができないわけです。
なので、このご夫婦の体を借りて私に伝えたかったんだろうなと確信しています。
でなければ、あれほど私のことを注視しないと思うからです。知り合いでもないし。
こういう体験も、めっちゃ面白いなー。神様ありがとーと思った出来事でした。
ー続くー